運命の人はお義兄様
いつの間にか周りの部員は壁際に行き、試合場を囲む形になっていた。
「始めっ」
審判が叫んだ。
キュッ
パーン
「面ありっ」
審判の声で周りがザワザワしだす…。
「か、開始直後に面ありかよ…」
「…すごすぎだ」
俺と藤田が向き合うと剣道場がシーンとなる。
「…始めっ」
キュッ キュッ
パーンッ
「小手あり…」
今度は藤田が決めた。
「……始めっ」
キュッ パーン
「ど、胴あり…」
「正毅が負けた!?」
俺が藤田に負けるはずないだろ。3年が驚く理由がわからなかった。