運命の人はお義兄様
「かっこいいと思うよ?」
「…静夏変わって!!」
「無理だし…。それに性格が…」
「そんなのこんな好条件なら、性格なんて関係無い」
「それが酷いんだって…」
「それより、なんで目が腫れてるの?」
朔が食い付いてきたんでしょι
「その人のピアノの音色のせい」
私は真剣に答えたつもりだった。
「…意味わかんないし」
「自分でもわかんないんだもん」
「自分が泣いてる理由もわかんないでどうすんの?なんかあるでしょ」
朔が怖いιι
「たぶん…いや絶対ない」
「1人で決めないで言いなさい」
「…あの子に似てた」
「顔が?でもその初恋の子の事、覚えてないんでしょ?」
「うん…。顔はわかんないけど、ピアノがね、似てたの…」
「ピアノの先生の美希さんだっけ!?に聞いてみれば?」
朔はさらっと言った…。
「その方法があったんだ!!」
「…気付かなかったの?」
「うん…」
朔は私の肩をぎゅっと掴んだ。
「静夏…。アホだね」
朔は呟くと下を向いて肩を揺らした。