運命の人はお義兄様
私はいつものように坂を上り
おば様の家に向かった。
私はインターフォンを押そうとした手を止めた…。
昔、あの子とこの庭で遊んだ…。
私は庭まで行き、無意識の間に
持っていたバイオリンを出し、いつもの曲を弾いていた…。
こうくん…
ふっと名前が浮かんだ…。
私が初めて好きになった男の子
一緒に遊んで演奏して笑いあった
ケンカもした
迎えに来るって言ったのに…
私は曲が終わる頃には泣きじゃくっていた。
曲が終わると拍手の音が聞こえた。
直後に私は後ろから誰かに抱きしめられた…。
「こうくん…?」
何故かあの子のような気がした…。