運命の人はお義兄様
私は恐る恐る後ろを向いた――。
「っ!!!!!…絋希さん!?」
どうして???
それより何で…
そんな顔しているんですか?
目が合わなくて――
見てる方が苦しくなるような…。
私と絋希さんの間にしばらく沈黙が流れた。
「…ごめん…」
絋希さんはそう言って私から離れた。
頭が真っ白で動くことができなかった…。
「美希さん…また来ます」
私は放心状態の中
遠くなっていく絋希さんの背中を見つめていた―――‥
「静夏ちゃん、中に入りなさい…」
おば様が私の肩を抱き、家の中に入ったときには
私の瞳からは涙が流れていた――。