運命の人はお義兄様
「中に入りなさい」
俺は美希さんの言葉で中に入った。
「久しぶりに、絋希くんのピアノが聞きたいわ」
その言葉を聞くと、俺はピアノに座り"あの曲"を弾いた。
曲が中盤に差し掛かった時…
迎えに行く―――
そんな約束を思い出した。
「…俺は誰を迎えに行くんですか?」
「それは自分で思い出さなきゃ。約束みたいに思い出すわ」
「時間がないんです…」
美希さんの方に顔を向けると、とても驚いた顔をしてきた。
「じかっ」
美希さんが何か言おうとした時
♪~♪~
バイオリンの音がした。
その音を聞いたとき
全てを思い出した―――