運命の人はお義兄様
私は自分の部屋に行き、すぐにバイオリンを弾いた。
絋希さんは初恋の人の事…
まだ想ってるのかな…?
似ているだけで抱きしめちゃうんだから、まだ好きって事だよね…。
コンコンッ
「入るわよ」
「っ!!!」
お母さんが演奏中の私の部屋に入るなんて今まで無かった。
「静夏…何考えて演奏してるの?今までこんなに悲しい音じゃなかったわ。それにいつもと感じが全然違うわよ?」
確かに自分でも酷い演奏だと思ったけど…。お母さんにもわかっちゃうくらい、酷かったの…!?
「ごめんなさい…」
ごめんね…こうくん
私…全然上達してないね…。
会いたくもならないよね…。
「謝らなくて良いのよ。料理してる時も…何が音を乱す原因なの?」
「……。…あのね…」
私はこうくんの事を話した。