運命の人はお義兄様
バイオリンを弾いて落ち着いた私は、重大な事に気付いた。
「朔に転校の事…言ってない!」
隼人さんに会ったりと、色々慌ただしく別れたので
すっかり言いそびれてしまっていた。
私は正直迷った……。
このまま何も言わずに去るべきか…
私の指は通話の上で止まる。
押す勇気が出ない…。
覚悟を決めるのにどれくらい経っただろうか―――‥。
私が指先に力を入れようとしたとき、携帯が音を発した。
私はいきなりの事で携帯をベッドに放り投げてしまった。