好きって言って!!
がちゃ・・・
部屋に入って一息。
でも、頭に浮かぶのはやっぱり、上島さんのこと。
本気で、好きなのかな???
椋ちゃん、モテるもんね。
でもあたし・・・絶対フラレちゃうよ? こんなの・・・。
だって、相手は一時でも美女といわれた子。
そして・・・比べものにならないあたし。
こんなの、バカでも美女を選んじゃうでしょう?
「はあ~・・・」
おっきなため息と同時に、ケータイがなった。
《メール受信:椋ちゃん》
椋ちゃんだ・・・。 なんだろ???
ケータイを開けかけて、止まった手。
もしかして・・・別れ話?
それも、ありえなくないでしょ?
もしかしたら、今も2人で一緒にいるのかもしれない。
もしかしたら、手をつないでいるのかもしれない・・・。
そんな、勝手な考えばかりが頭に広がる。
だって、仕方ないよ。 あたしだもん。 こんな、あたしだから。
こんなときだって、どうしたらいいのかわからない。
いさぎよく、メールを読むべきなのかな?
それとも、無視する?
そんな、ズルイ考えまで浮かんできたあたし。
考えてるうちにも、メールの音。
なるたびに、ディスプレイを確認して。
こんなに臆病になるのは、好きだから。
こんなにも苦しいのは、君をこんなにも想っている証拠。
好きだから、信じてる。
好きだから、不安にもなる。
だから、ボタン1つがおせないんだ。
だって、おしたら、いやでも現実を受け止めなきゃ。