ばくだんスイッチ―いじめに対抗する「権力」―
知らない誰かは、何か考えていたみたいだけど、最後に静かに私に問うた。

「君は、スイッチを押せない?」

「…押せないよ。約束する。

だから持ってるのくらい許…。」

「今、スイッチを取りに行くからな!」

どっ、と校舎に人が流れて来た。

私の権力を、たった一つの私の存在意義を奪われる。

どうして?どうして?

スイッチを高く掲げた。腕が震える。もう涙が止まらない。

< 121 / 170 >

この作品をシェア

pagetop