愛して欲しい人。
わたしの回想。
――ぼーっとしてる時、思い出すのは必ずあの日のこと。
幸宏さんが傷付いている時に付け込んで、
告白して、抱かれて。
汚いと、浅ましいと思いながらも止められなかった。
…止めたくなかった。
一瞬でも、代わりでも、彼が見ているのは『私』なんだと思うと、
もう他の事はどうでもよくて。
世間体とか、先の事とか、周りにどう思われるかとか―――お姉様の気持ちとか。
何も考えられないほど興奮して、感じて、 初めて特有の痛みさえも愛しくて。
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