愛しき悪魔
「…フッ…ヒッ…嘘…本当に…?」
涙でグチョグチョだった顔に綺麗な新しい涙が伝った。
「…嘘じゃねぇ。本物だ。」
ぎゅうー…
ますます強い力で抱きしめられる。
離れないほど…強く。
「あのっ…私、ごめん…ね。」
「何がだよ。」
「亜羅に…迷惑…かけた。」
「迷惑なんか…ッ…俺がはっきりしねぇから…ッ」
泣いてる?
「ごめんッ…ごめんな。」
夢の亜羅じゃない。
夢の亜羅はこんなこと言わないし…
なにより、背中が凄く温かい。
本当の、本物の、亜羅なんだなって…実感した。