愛しき悪魔
ほっ、よかった。
このまま力をぬいちゃおうとした時ー…
「何が「胸にキスして?」だよ、気色わりぃなぁ。」
…忘れてた、この部屋にはもう一人いることを。
一瞬で体が固まる。
「…聞いちゃいました?」
ゆっくりと振り向くと、頭を片手で支えて痛そうにしている…魔女さんがいた。
「…あぁ、隠しもせず恥ずかしみもないねぇ。」
フッー、と息をはいて遠くをみている。
めっ…めっちゃくっちゃ恥ずかしいよ!!!
「…スミマセン…でした。」
「何謝ってんだよ、吐き気がするよ。あー、結局幸せかい。」
つまんねーといわんばかりな目でみてくる。
「…幸せは、お嫌いですか。」
「…ケッ、嫌いだねぇ。」
その顔ー…私には悲しさがみえた。