愛しき悪魔
「……行けない…よ。」
痛々しく目を細められる。
「…どうして?」
「お父さん…も、お母さんも、あんなだけど…本当は…優しくてっ。」
「それが嘘なんだよ、今の姿が本当。」
「…っ、そんな…。」
……苦しい。
今まで必死に思いこんでいたことを否定されてー…苦しい。
「…そ、そんなことっ。」
「……目を反らしちゃだめだ、ちづる。君の体が証拠になってる。」
びくっ…
無意識に体中を見渡す。
ぽつ…ぽつ…
消え入りそうなのもあるけど新しい痣が多くあった。
「…これからもこのままでいるのか…?」