愛しき悪魔

「……君は知らなくていい。」










そう零した目は真剣で、










「………うん。」










こう答えることしか出来なかった。










「ちょっと、ちづるをここに残すだけだ。すぐもどってくるから待っててな。」










ニコッと笑った。










自然とこっちまでつられてしまう。










「…そんな風に…笑っててな。」










胸が苦しくなる。










「…ﾌｳｯ…」










ｶﾞﾊﾞｯ！！










ｷﾞｭｯー…










自分からのﾊｸﾞも優しく受け入れてくれた。










「待ってるー…。笑って待ってるから、絶対戻ってきてね？あなたのことー…信じてるから。」










「……っん。」










彼は腕で私の頭を抱えて、私は彼の胸に顔を埋めた。