愛しき悪魔
「…ッ!?、何してんだよ!」
亜羅は慌てて離そうとするが私はしがみついて離れない。
「どうしたんだー…「私は亜羅のために自分を食べてなんて言わない。」
「でもね、こんな亜羅、これいじょうみてられない。」
「…」
「…私、本棚の本見たんだ。」
「…ッ、」
「このことだよね、天使の証って。」
そっと、胸元まで服おろす。そこには菱形のような真ん中が金色にひかったマークがあった。
「悪魔は天使から生気を貰うことができるんでしょう。この胸の証から。」
「…それ、大事なもんだってわかってんだろ。」
「…」
「それは天使が永遠を誓った人にだけ触れさせる大事なもんなんだろ。いいのか大事なやつのためにとっとかなくて。」
その通りだった。
この胸のマークは天使の証であり、大事な人との契約書。
生涯ともにすることを決めた人にここにKissをしてもらい、ソレが契約となる。一度っきりしか使えないもの。
でも、本には悪魔はここに口づけることで生気を得られると書いてあった。
「…無理だろ。」
嘲笑うかのように吐き出す。
「…、大丈夫だから。」
あらためて考えると家族からなにから天使という身分まで裏切ることになる。
恐怖を覚えた。