愛しき悪魔












「…♪〜リリ〜ルラ〜ルル〜」










…天使のこもり歌!










天の世界では寝る前にこの歌を子供に聞かせる。










私も母がよく歌ってくれたのを聞いていた。










この歌は夜寝ている時に悪魔がこないように…という意味があるらしい。










……まさか本当に悪魔に効くのかも?










「…」










彼の動きはピタッととまった。









ポカンと口を開けている。











…え?効いた?










「…」









「…」









「…ブッ、ブハハハハ!!」












しばらく観察していると急に笑い出した。










「急に歌いだすとか。自分の危険、わかってんの?」










ヘラヘラ笑いながら言ってくる。










やっぱりこの人はチャラ男だ。










ビクビクと怯えた目で彼をみる私。










「フハハ、そんな目で俺をみなくても喰ったりしねぇよ。アイツのもん、勝手に喰ったりしたら…。俺だって自分の身は惜しいよ。」










彼の目は優しい…とは言えないけど(やっぱり悪魔だし)










でも明るく普通の目に戻った。










< 41 / 197 >

この作品をシェア

pagetop