愛しき悪魔
「…♪〜リリ〜ルラ〜ルル〜」
…天使のこもり歌!
天の世界では寝る前にこの歌を子供に聞かせる。
私も母がよく歌ってくれたのを聞いていた。
この歌は夜寝ている時に悪魔がこないように…という意味があるらしい。
……まさか本当に悪魔に効くのかも?
「…」
彼の動きはピタッととまった。
ポカンと口を開けている。
…え?効いた?
「…」
「…」
「…ブッ、ブハハハハ!!」
しばらく観察していると急に笑い出した。
「急に歌いだすとか。自分の危険、わかってんの?」
ヘラヘラ笑いながら言ってくる。
やっぱりこの人はチャラ男だ。
ビクビクと怯えた目で彼をみる私。
「フハハ、そんな目で俺をみなくても喰ったりしねぇよ。アイツのもん、勝手に喰ったりしたら…。俺だって自分の身は惜しいよ。」
彼の目は優しい…とは言えないけど(やっぱり悪魔だし)
でも明るく普通の目に戻った。