愛しき悪魔
「わッ…わぁー…。」
これは感動の声ではなく苦笑いの声。
なんと飛んでまわりを見渡すとまわりは一面赤地で変な木がたっているだけだった。
建物一つない、全部同じ風景ー…。
傷毅さんについていかなくてよかった。
…ずっと歩きまわるところだった。
「あ、亜羅ッー!!」
本当にこんなところから亜羅がみつかるのだろうか。
「亜羅、亜羅、亜羅ー!」
私の声はどこかに吸い込まれて行くばかり。
何も見えない。
…こんなところから亜羅は私のために食べ物をさがしてくれていたのだろか…。
偶然拾うはめになった天使のために。
自分の身まで削って…。
「何やってんの…馬鹿亜羅、お人よし。」
小さく口から零れた。