愛しき悪魔
丸々太った私をいただくつもりだった?
それか売ったりしてお金を儲けるつもりだった?
頭に浮かんでくるのは亜羅の悪口ばかり。
亜羅はそんなことする悪魔じゃないのに。
わかってるのにー…。
「…ウッ…ヒック…フェ…ク…」
涙が溢れる。
…何もできない自分が悔しかった。
ドサッ…
とても小さい音なのに鮮明に耳に届いた。
「…ウック…亜羅?」
音の方向は西から。
傷毅さんが飛んでいった方とは逆。
まさか…?
「亜羅ッー!!」
西の方向に向かう。
…そう、遠くないはず。
「!!うそッ…亜羅!?」
1、2分後、すぐ見つかった。
木の影に横たわって倒れている人がみえた。