愛しき悪魔
ギュウ…と抱き着く。
「亜羅…どこにいるのかと…。」
でも反応がない。
「…亜羅?」
「ハァ…ハァ…」
目を閉じて苦しそうに息をする亜羅。
…熱があるみたいだ。
普段は冷たい亜羅の体が妙に熱い。
…もしかして病気に?
「…亜羅!亜羅!!しっかりして!!」
「…クッ…ハァ…ハァ…み…美流ッ…」
手をついて体を起こそうとする。
「無理、しなくていいから。もたれて、ね…。」
私の肩に頭をおいて体を預けてきた。
私はギュッと抱きしめた。
「大丈夫だから…ね。」
「ハァ、ハァ…あぁ…ご、めん…」
…謝ることないのに。
こうしっかりしているところが悪魔らしくない。
…亜羅らしい。