愛しき悪魔
とりあえず木にもたれかけさせた。
「大丈夫、亜羅。しっかりして。」
「…ハァ…ハァ…美…流…」
苦しそうに何度も私の名前を呼ぶ亜羅。
「熱…何度あるのかな。」
そっと額に額を合わせる。
「ん…ちょっと高いかな…。」
パッと離れて亜羅と目を合わせる。
「大丈夫!ちょっと苦しいかもしれないけど…亜羅?」
亜羅の目が見開かれる。
「へッ、こんなところに獲物ちゃんが。」
亜羅の目線の先ー…声の主に振り返った。