愛しき悪魔
ガッ!
私に痛みはない。
目の前ではさっきの悪魔が白目を剥いて倒れていた。
「…えッ?」
「いやぁー遅くなってわりぃ、わりぃ。」
「傷毅さん!!」
救世主ー…傷毅さんがそこにはいた。
「…キ…傷…毅…フゥ…」
亜羅は気を失った。
「亜羅!?嘘!やだ!!亜羅ぁ!!」
「大丈夫だ、落ちついて美流ちゃん。とりあえず家に帰ろう。」
亜羅をかつぐ傷毅さん。
「…は…はい。」
動揺が隠しきれない。
足どりは速まるばかりだった。