愛しき悪魔




…―――
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「ンッ…ンッ…クゥ…」




強くうったのか体が動かない。




体中がチクチクする。




私どうなったんだろ…。




天使は人間のように死ぬことはないが、ケガは普通にする。




体は羽が生えていること以外、人間との違いはない。




フゥッと感覚が戻ってくる。目を開けるとそこには黒い天井。




どこ?もしかして人間界?




カサッ…




体には赤黒い血のようないろのシルク地の布がかぶせてある。




私、ベットに寝かされてる…?




薄暗い部屋は寒く、静かだ。




あまり広くない部屋のようでどうやら明かりなどはないらしい。




それより…生臭い血の臭いがする。




あまりキツイ臭いではないが思わず鼻を押さえる。




人間界とは想像していたところとは違うのね…。




明るく綺麗で色鮮やかな場所を想像していた私はショックだった。




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