愛しき悪魔











傷毅さんから亜羅の匂いがした。










間違いなく、私の大好きなー…










なんて恥ずかしくていえない。










そのことは言わずに「本当に食べないで下さいね。」と言って彼を家にいれた。





















「…何か御用ですか?」











適当に紅茶をつくって椅子にすわる。










なんともおちつかない。










「いやぁ、元気にしてるかなぁーと思って?」










ニコッと微笑んで紅茶に口をつけた。










「…それだけですか?」





「いやー、ダーリンに逃げられて寂しくしてないかなぁと思って?」





「まーったくそんなことないです。」










強気だねぇなんて笑う。










なんなのいったい。










「もう帰ってもらえませんかー?」






「ハハハハハハ、ごめん。あのね、そろそろ食べる物なくなってるんじゃないかなと思ってね。」





「え?」












そういって肩にかけてた絹の鞄から干し肉らしきものや野菜らしきものを出した。










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