月光
「わがまま言ってごめんね。パパ。」




顔を上げてパパを見上げると、パパは優しく微笑んでくれた。




「いいんだよ。陽菜。陽菜に1日でも早く笑顔で、前向きに生きてもらいたいからね。陽菜を愛してるから」




「ありがとう、パパ。」




パパは私が泣き疲れて眠るまでずっとギュッと抱きしめてくれていた。





数日後、私は10年間住み慣れたニューヨークを離れ日本に帰国した。
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