れもん。
「もしかして、美依ちゃんかい?」

祖母の家は広くて、古くて、まさに日本家屋だった。

最後に見た記憶よりも少し小さな家を眺めていると、お婆さんに話し掛けられた。


「おやまぁ、こんなに大きくなって!よう来たねぇ。」

その言葉で、私の祖母だと分かった。


「久しぶり、お祖母ちゃん。今日から夏休みの間、お世話になります。」


そう言いお辞儀をする。

「あらあら、そんなにかしこまらなくて良いんだよ。」

さ、中にお入り。

促され、家の中に入る。

玄関の引き戸がガラガラと音を立てた。

中に入ると同時に畳の匂いが鼻を刺激する。

懐かしい匂いに少し昔を思い出した。
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