れもん。
「だって、また一緒に遊べるじゃん!」

「それが嬉しいの?」

驚いた。遊べる事が嬉しいなんて、本当に、犬みたい。

「嬉しいよ?美依は嬉しくない?」

そう聞いてくる宏之の顔は、少し、淋しそうだ。

「分かんない。」

呟けば、ちゃんと耳に届いたらしく、文句を言ってくる。

「えー!!美依冷たい!」

「でも、多分、嬉しいよ。」
また呟けば、また聞こえたらしい。

「だろっ!」

また嬉しそうに笑う。

表情がコロコロ変わるのは、相変わらずだ。

「そだ!皆にも美依が来たって伝えに行こ!」

そう言いながら立ち上がり、私の手を引っ張る。

「私まだ荷物整理してない。」

荷物は部屋に置いて来たけど整理はしてない。
別に今でなくて良いけど、早く終わらせておきたい。

「いーじゃん後でやれば。皆に会うのが先!」


結局、宏之に強引に押し切られ、荷物整理は後回しになった。
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