あたしの部屋にこない?
「人形がウジ虫に食べられるのが嫌だからウジ虫取ってるだけよ?」


これが…ー人形?
人間…イヤ、死体じゃねぇか…。


こいつはヤバい。

逃げろ。

頭はそう言っているのに腰が抜けて動けない。


「この人形は昔あたしが初めて好きになった人なの」

柚希ちゃんはそう言って1つの袋を開け腐り果てた死体を愛しそうに抱きしめた。


「好きだから…あたしだけのモノにしたかった。だから…殺した。そうしたら彼の全ては本当にあたしだけのモノになる、そう思ったから」


汗がダラダラ零れる。
コイツ…狂ってる。


「でもね、他に好きな人が出来た。もちろん彼も好きよ?あたしって気が多いの」


柚希ちゃんは袋を丁寧に閉め、袋越しから軽くキスを落とした。


「好きになると相手の全てが欲しくなる。

全部、全部、欲しくなる。

いつもあたしの手に触れる場所に置いておきたくなる。

だから殺す。

そしたらねこんなに増えちゃった♪あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」

俺はやっとの事で部屋を飛び出した。

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