ラプソディー
冬至は、嫌味な笑みをして、いろはの頭を撫でるだけだった。

いろはは、しかめっ面で気に食わない顔で冬至を睨み付けていた。

「帰るか、乗るだろ?」

「金持ち坊っちゃんが」

「はいはい」

立ち上がり屋上から出て行った。

この一部始終を見ていた人がいた。
そう、まだ刑事に飽きていなかった最上だった。

「………………」

ただ黙って最後まで二人を見送っていた。





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