平和について
「ほら、あのイスルギ ゴウっていうのいるでしょ?
うちの子あれが大好きで、いつも真似して遊んでるんだけど…」

こういう話を聞くのが俺は一番嬉しい。
俺の真似をして正義の行いをしてるんだな。
うんうん。
君はもう俺達の仲間だ!


「そのごっこ遊びで、クラスの子を、悪役にして殴っちゃったのよ…
もう、大変。
いつも遊んでる子で、ジャンケンで役を決めたのまでは良かったんだけど、本気で殴ったから先生もすごくびっくりしたって〜

相手のお母さんも分かって下さったけど…これから、ああいうの見せるの止めようかしら?」





…………………違う。
俺はこんなのを望んでいたんじゃないんだ。

平和に…世界が平和になればいいと思って…
俺が子供の頃にそう学んだから…

なのに、俺のせいで友達に暴力を振るった?

愕然とした。

次の日から、俺は力について考えるようになった。

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