ビターに愛して シュガーな恋心
パパとのこと

知られたくない

絶対に勇人さんに嫌われちゃう

あたしが醜い人間だって、軽蔑されてしまう

そんなの嫌だよ

あたしの胸が苦しくなった

「桃香、俺は桃香を守るって決めているんだ」

優しい声があたしの心に染み込んでくる

勇人さんはどうしてこんなに優しいのだろう

あたしの目頭が熱くなってくる

「桃香さん、兄様に話しちゃいなよ!
私が邪魔なら、兄様の部屋に行って話すとか?
兄様のベッドの上で…」

「莉子! ふざけてる場合か?」

「ごめんなさい」

莉子ちゃんが廊下で頭をさげた

「兄様はね…頼られるのが好きなんだよ
突っ張って、頑張られるより…話してもらったほうが兄様はほっとするみたい」

莉子ちゃんはにっこりとほほ笑むと、居間へと足を向けた

「話しにくいことなら…無理に聞かない
けど桃香の今の様子はすごく気になる
俺は気になったら、すぐに調べる性質だ
知ってるだろ?
パソさえあれば、俺は何でも調べられる
できれば、調べて桃香の悩みを知るよりも、桃香の口から悩んでいる事柄を聞きたい
脅してるわけじゃない
でも知りたいんだ」

勇人さん……どうして、そんなに優しくしてくれるの?

あたし、醜い女なんだよ

パパをすごく憎んでいる

嫌ってる…そして怖がってる


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