ビターに愛して シュガーな恋心
「パパから…だったの
ママを殺したのはあたしだって、電話で言ってきて…」

「そうか」

勇人さん…驚かない?

どうして?

「あたし、パパには何も言ってないのに
パパはあたしの生活は知っていた
勇人さんを『金のなる木だ』って言って…たぶん、あたしと勇人さんの関係を間違って捉えているみたいで
勇人さんを脅して、お金を貰おうとしているかもしれない」

「ふん、面白そうな話だな」

え?

あたしは顔をあげると、勇人さんが笑顔で目を合わせてきた

「ごめんなさい」

あたしは頭をさげた

「なんで謝る?」

「え? だって、あたし…勇人さんに迷惑ばかり…
面倒事ばかり、持ちこんでしまって」

「俺がさっき言った言葉、ちゃんと聞いたか?」

「はい…『面白そう』って」

勇人さんの長い指があたしの髪に触れる

二つに結っている髪の毛先が、勇人さんの指に絡みつく

「『面白い』という言葉に『迷惑』っていうの意味合いがあると思うか?」

「えっと…」

「あると思うか?」

勇人さんの息が耳にかかる



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