ビターに愛して シュガーな恋心
「桃香について話をしませんか?
いつまでも預かってもらうわけにはいきませんからねぇ…」

一真がわざとらしく低い声を出して口を開く

俺の肩には、親しみ込めて腕を乗せている

うぜぇ

あんたの汚い腕を乗せるな
重いだろうがっ

何なんだよ、こいつ

暑苦しいにもほどがある

「いいですよ
どこで話しますか?」

俺は何も知らないお坊ちゃまのような屈託のない笑顔を浮かべた

「君の家が近くにあったよね?」

こいつ、バカだ

自ら敵のテリトリーに入り込むなんて

俺を甘く見てるのか?

それとも勝つ自信がありすぎるのか?
< 112 / 417 >

この作品をシェア

pagetop