ビターに愛して シュガーな恋心
赤いリボンが風に揺れている

「おはよう」

もう一度、藤城君が挨拶をしてくれる

「あ…おはようございます」

私は下を向いた

どうして?

なんで、話しかけてくるの?

昨日…見たよね?

私の…醜い過去を

誰にも知られたくない乱れた過去を

藤城君は見たよね?

どうして何事もなかったように、話しかけてくるの?

「藤城君、知ってるの?」

藤城君の腕に絡みついてきた女子が、明るい声で質問してきた

昨日

私を抱いた藤城君の腕に、女子が何のためらいもなく触れている

そっか…藤城君にとってのエッチって、そんなに重いものじゃないのか

女子に触れる行為は、普通なんだ

思い切って、腹黒い女のフリしなくても良かったんだ

馬鹿みたい

一人で、力入れ過ぎなのかも

「ああ、小山内会長の妹だよ…って今は大学生徒部長だったけ?」

藤城君が首をかしげながら、言葉を出した


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