ビターに愛して シュガーな恋心
「いいの?」

「なんで質問するの?
良くないなら、昨日、ホテルなんて行かないし」

「ええ? だってあれは…兄様の怒りを」

「怒りを買うだけなら、見えるところにキスマークつけるだけでオッケーでしょ?
なんで見えない箇所にまで、愛情をかける必要があるの?」

そっか

確かに言われてみえば

藤城君って案外、冷静な男?

「もしかして…僕が、小山内先輩の怒りを買うだけのために…その、ヤッた思ったわけ?」

私は大きく頷いた

藤城君は、私から離れると床に尻をつけて座った

眉間に皺をよせて、髪を掻きあげる

その仕草がなんだか、妙に色っぽく見えるのは…私が藤城君を好きだから?

「まあ、確かに…その、小山内先輩は好きじゃない
けど、莉子は違う
なんか…うまく言えないけど、守りたいって思った
捻くれた性格を、まっすぐにしてやりたいって」

「ひ…ひねっ…」

「捻くれてるだろ?
妙に丁寧な言葉で、人を遠ざけておいて、時折ひどく傷ついた顔をして泣きそうな顔して
なのに、必死に兄貴の彼女を守ろうとして…なんか、気になるんだよな
突っ張ってるのに、泣きそうになってる莉子を見てると」

藤城君の顔がみるみる真っ赤になっていく

横を向いた藤城君の耳ままで、真っ赤になっていた


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