ビターに愛して シュガーな恋心
「願カケ? 兄様への復讐をするのに……」

藤城君は短くなった襟足を、細長い指でガシガシと掻いた

綺麗な少年から、すっかり爽やかな好青年になっちゃったね

「いいよ、別に…聞かないから」

無理に聞きたいとは思わない

だって藤城君が教えたくないって思っている過去を、聞くのは…心苦しい

私だって聞かれたくない過去を無理に話すつらさを知ってるから

「ごめん
あいつに報告してからでいい?」

藤城君がほほ笑む

『あいつ』ね

報告する人がいるんだね

それなのに、私と付き合っていいの?

その人に、恨まれない?

憎まれない?

裏切り者って言われない?

「いいよ、話さなくて」

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