ビターに愛して シュガーな恋心
「ちゃんと手紙を置いてきました」

「それが余計、父上の不安を増長させるんだよ」

「何も書かないで、出かけるより良いかと思っただけです
私だって学校に通う権利はありますわ」

「父上が用意した学校があるだろう?」

「それではツマラないんです
私だって、恋に悩んだりしてみたいです
女子ばかりの学校に、きびしい規則…変わり映えのない寮生活は中学までで結構です
私は飽きました
だから兄様と同じ高校を受験しましたのに、今度は家に閉じ込められて…
すっかり私は、引きこもりの生徒になってしまいました」

そうです

私はこの春から、高校1年生になったのに

紫桜学院高等部の生徒になったのに

お父様のせいで

4月からずっと2か月間

家に閉じ込められて、監視されてたの

男子のいる学校に通うなんて許さない…とかっていうくだらないお父様の考えのせいで

私はずっと家にいた

それを今日は、ボディガードの目を盗んで、逃げだしたの

一組分の着替えだけを持って

制服は、貴美恵さんに預けてあるから、今夜にでも届けにきてくれると思うんだ

私は新しい生活がしたいのよ

中学のころとは違う、別の世界で

一から私の世界を作りたいの



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