ビターに愛して シュガーな恋心
僕は兄さんの部屋に入ると、学生鞄を床の上に置く

兄さんが用意してくれた座布団の上に正座をして座ると、青い色の生地のカーテンを見つめた

「竜之介、お前は気張りすぎなんだよ
肩の力を抜け」

兄さんが、僕の肩に両手を置いた

まるで肩もみをするように、軽く揉んだ

「俺はお前の敵か?
鋭い目をして、俺を睨んでどうする?
お前はいつもそうだ
完璧を求めすぎてる
少しくらい失敗してもいいんだ
誰かに頼ったっていいんだぞ」

「結果が一番だと教えてくれたのは兄さんだ
藤城家の後継者として、生きていくのを教えてくれたのも兄さんだ」

兄さんの手が僕の手から離れた

冷蔵庫へと足が向いたようだ

バタンと開閉の音が後ろから聞こえてきた

「そうだな
俺は、お前に家の責任を押し付けた
完璧であることを望んだ
でもそれは表向きの顔だけでいいんだ」

無理だよ

もう…そうやって生きてきちゃったんだから

今更、直せって言われたって

言っていた意味が違うって言われたって

簡単に直せない
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