ビターに愛して シュガーな恋心
「クレアが大切に想っていた人間を俺が守る
そう決めてから…必至だった

九条に対抗する力が欲しかった
父の力を借りれば、九条より優位な立場に立てる

だが、それは俺の力ではない
父の権力でしかない

俺は、俺自身の力を手に入れて、初めて九条と対等になり…そして同じ舞台で戦える
そのための力と頭脳と、金を手に入れなくては…と思った

中学の俺が、いきなり会社を興して社長になんてなれないしな
まずは、ネット通信で、大学までの勉強は終わらせた
資格も、取れるだけとった

それから俺にできる金の稼ぎ方を考えた
それが『脅し』だよ
テツと手を組んで、ネットで情報を集めて、大会社から金をもらった
力を手に入れるのに、ちょっと悪どいやり方だったとはわかっていた
でもガキに何ができる?

父の会社の経営を学んで…なんてちんたらやる方法なんて、俺には似合わない
苛々するだけだ
それに一日でも早く九条克海を…表舞台のルールに引きずり出してやりたかった

権力があるゆえに、警察すら手を出すのに苦労する克海に手錠をかけられるのを見たかった」

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