ビターに愛して シュガーな恋心
「…よいしょっと」

こっそり、生徒会室のドアを開ける

誰もいない部屋…のはず?

窓の下に、人影が見えた

私は静かにドアを閉めると、そっと窓に近づく

生徒会室に先に来ていたのは、克波さんだった

床に座り、壁に背中をぴったりとつけて眠っていた

自然な茶色の髪が、窓から入ってくる風でふわりと揺れる

長い睫毛が羨ましいくらい綺麗にカールしている

「…あ?」

人の気配を察知したのか、克波さんは目を開けるとしゃがみこむ私の顔をじっと見つめた

グリーンの瞳に、私の顔が映った

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