ビターに愛して シュガーな恋心
「莉子ちゃん?」

克波さんが不思議そうに首を傾げると、腕時計で時間を確認する

「あれ? もう一時限目が始まってんじゃん!」

克波さんが驚いた声を出して、立ち上がる

「…ま、いっか」

両手を頭の後ろにやると、長テーブルの下に収められている椅子に腰をおろした

「今朝は、誰も来ないからさ
寝ちゃったよ
…てか、桃は? 風邪でもひいたのかよ
馬鹿はひかないって聞くけど…」

克波さんが立っている私の顔を見て、口を開く

まだ眠いのか、欠伸を一回して、瞳を潤ませていた

「あ…たぶん、今日は来ません」

「何で?」

「えっと…兄様と…」

「何? ナニ…やっと?
ベッドインに成功したの?」

克波さんの顔つきがぱっと明るくなる



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