ビターに愛して シュガーな恋心
あたしはキッチンに戻ると、夕食の準備を再開して手を動かし始めた

…って、人数分ないけど?

あたしが我慢すればいっか

勇人さんと、お父さんの分ってことで

「君は…勇人と寝たのか?」

「え? …寝た?」

携帯をいじっている勇人さんのお父さんが質問してきた

寝たって…ああいう意味だよね?

きっと…エッチした?とかそういう感じだよね…

「寝てないのか?」

勇人さんのお父さんが不思議そうに頭を右に傾ける

「…あ…あたしはただのメイドですから」

「そうか、寝てないのか
珍しいこともあるもんだな」

「珍しい…ですか」

あたしは言葉を繰り返した

「あ、気に触っていたら、申し訳ない
勇人の行為が珍しいということだ
あいつはホモかな? …なはずは、ないか
まだ忘れてないのか
未練ったらしい男はモテないぞ」

はい?

あたしも首を傾げた

忘れてない…って?

勇人さんには忘れられない女性がいるのかな?
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