ビターに愛して シュガーな恋心
私がマンションに行くと、すでに藤城君がエントランスの前に立っていた

制服のネクタイを緩め、肩を揺らして立っている

藤城君の呼吸が激しく乱れている

相当急いで来てくれたのだろうか?

自動ドアを抜けて、私が出てくると藤城君の視線があがった

「良かった!
1限の授業が終わって、生徒会室に行ったんだけど…
莉子の姿がなかったから…屋上を見に行ったりして…」

「授業は?」

「出てないよ
ずっと莉子を探してた」

「え?」

「ごめん…朝は怒らせるつもりはなかったんだ
ただ、莉子に触れたくて
ごめん」

藤城君は腰から折って頭を下げた

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