ビターに愛して シュガーな恋心
また玄関が騒がしくなった

男女の声が聞こえる

え?

「すみません」

あたしは勇人さんのお父さんに頭を下げると、玄関に向かった

「男の人の靴があるよ?」

「俺の靴じゃねえ」

「じゃ、兄様の彼女の男の靴?」

「…はあ?」

不機嫌な声が聞こえてくる

勇人さんの声だ

もう一人は誰だろう?

「おかえりなさい」

あたしは、玄関で足を止めると口を開いた

勇人さんが怖い顔をして靴を脱いでいた

「誰の靴?」

「あ…えっと、勇人さんのお父さん?」

「ええ?」

女の子が、眉をひそめるとあからさまに嫌な顔をした

「俺の家に行くって言ったんだ
連れ戻すつもりなら、ここに来るだろうが
それくらい予想しろ」

勇人さんが女の子に言うと、さっさと家にあがって行ってしまった

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