ビターに愛して シュガーな恋心
藤城君が見えなくなると、莉子ちゃんが下を向いた

すごく悲しそうな顔をしている

今にも泣き出しそうで、あたしは思わず莉子ちゃんの肩を抱きしめた

「いつも…いつも…、肝心なことを言ってくれない
何を考えているのか
何を思っているのか
私、藤城君の気持ちがわからないの
好きなのに

藤城君は私のことをすぐにわかってくれるのに
私は…藤城君の抱えている悩みや不安が全然わからないわ」

莉子ちゃんが消え入りそうな声で呟いた

「あたしも…今、莉子ちゃんと同じ気持ち
どうして男の人って何も言ってくれないのかな?
言って欲しいことを、隠して一人で解決しようとするんだよね
藤城君も勇人さんも…どうして何も言ってくれないのだろう」

あたしは莉子ちゃんの肩をぎゅっと抱きしめた

「おい…エレベータに乗るぞ!」

遠くから、勇人さんが呼ぶ声が聞こえた

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