ビターに愛して シュガーな恋心
「あ、僕、1年A組の藤城竜之介って言うっすんけどね
入学式で桃香先輩を見て一目惚れしちゃったんすよぉ
だからエッチしよ?
今すぐ、ホテルに行きましょう!
めっちゃいいとこ、探してあるんすよぉ」

「アホかっ」

克波君が持っていた書類をくるくるっと丸めると、藤城君の頭を叩いた

ぽかっと良い音がした

「いてっ」

藤城君が頭をこする

藤城君は立ち上がると、にっこり笑い、あたしに抱きつこうと飛びかかってきた

え?

まだ諦めてないの?

「ええっ?」

あたしは二歩ほどさがると、長テーブルの角にお尻をぶつけた

いたいよ

あたしは、痛みを訴えるお尻に手をあてる

うわっ、どうしよう!

逃げられないよ

「うぜぇんだよ」

克波君が長い足を持ち上げて、藤城君の脇腹に蹴りを入れた

「先輩の蹴り、最高っす」

藤城君は蹴られた脇腹をさすりなながら、体勢を整えた

藤城君は笑顔を崩していない

え?

この人って、M?

笑顔で立つと、両手を広げてまた抱きつこうする

「だからうぜぇんだよ」

克波君がまた蹴りを入れた
< 3 / 417 >

この作品をシェア

pagetop