ビターに愛して シュガーな恋心
私こそが、藤城君の隣に立つ女よ…と言われているように感じた

愛子さんには目力がある

目で言葉を投げる

私に、藤城君には近寄るな…と訴えている

「愛子、手当てはいらないから
家には一人で帰ってよ」

「え? 竜ちゃん、送ってくれないの?」

「どうせ隣なんだから」

「隣でも、ちょっと歩くよ?」

「あ…じゃあ、私はこれで…」

私は、藤城君たちに頭をさげた

「あら、莉子さん
忘れ物を届けに来てくれたんでしょ?
せっかく届けに来たのに、渡さずに帰っちゃうの?」

愛子さんがにっこりと笑う

悪意がなさそうに見える笑みだけど、目だけが怖かった

憎しみがこもっている…というか

私の本心をあぶり出そうとしているような…そんな感じがして

心の奥から、震えが起きそうだった

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