ビターに愛して シュガーな恋心
「僕だって男だよ
普通の、そこらへんを歩いてる男と同じだよ」

愛子は理想が高すぎるんだよ

僕を理想の男と重ねて、崩れそうになる不安定な心を支えていただけなんだ

「愛子、僕は君と結婚をしても幸せにする自信はないよ
必ず不幸する
僕は莉子が好きだから
莉子と一緒になりたいと思っているから
心に嘘はつきたくない」

「じゃあ…私の今までの苦労は?
藤城家の嫁になれるように、努力してきた日々は?
どうしてくれるの?」

「ごめん…としか言えないよ、僕には」

僕は愛子から視線を外した

「嫌よ…絶対に…私は竜ちゃんと結婚をするから」

愛子は立ち上げると、部屋を飛び出していった

…無理だよ

僕が…結婚できない

莉子以外の人とは、考えられない

< 355 / 417 >

この作品をシェア

pagetop