ビターに愛して シュガーな恋心
「あ…じゃあ、私、もう帰りますね」

私は布団から出ると、自分の荷物を探す

鞄が枕元に置いてある

それに手をかけて、立ち上がるとすると愛子さんが私の手首をつかんだ

すごく強く、握りしめてくる

い、痛いんですけど?

何だろう

「あの…?」

「私が素直に貴方を帰すと思うの?
知ってるのよ」

「え?」

「竜ちゃんとどこで知り合ったの?
私は竜ちゃんの許婚なの
とらないでよ、泥棒猫さん」

愛子さんが鋭い目で私を睨んできた

私は、手に持った鞄を離すと布団を挟んで愛子さんと向かい合わせで座った

「ごめんなさい
知らなかったとはいえ、失礼な行動でしたよね
すみません
でも私は、藤城君が好きです
この気持ちは、誰に何と言われようと変えるつもりはないんです」




< 359 / 417 >

この作品をシェア

pagetop