ビターに愛して シュガーな恋心
「そういうことなら…俺は帰る」

「もう帰っちゃうの?
来たばかりなのに」

「は?」

俺は父上の顔を見た

父上が優しい笑みを浮かべていた

「クレアさんが亡くなった時は、お前を見ているのが辛かったが・・・ずいぶんと成長したな」

父上が目を細めて、俺の顔を見た

なに…昔を思い出しているんだよ

気持ち悪いなあ

なんだよ

何かあんのかよ

「もう8年だ
俺だって変わるさ」

「8年たっても恋人も作らず、生きてきた男が何を言う?
私はちゃんと結婚ができるかどうか、心配で不安で…」

「はあ?
くだらねえな」

「母さんも喜んでたぞ」

「はあ?」

父上が、目に涙を浮かべている

…んだよ

なに、一人で感動してるんだよ
< 387 / 417 >

この作品をシェア

pagetop