ビターに愛して シュガーな恋心
「桃香せんぱーい」

生徒会室に大きな声が飛び込んできた

私は、横を向いて声の主を探した

あれ?

あの人……って昨日の人?

昨日、聞いた声とは全くトーンが違う

顔つきも、明るくて人懐こそうだ

なんで?
そんなに違うの?

「また…お前かよ!」

克波さんが面倒くさそうに呟くとため息をはいた

克波さんも知り合い?

「だって、生徒会に入りたいんだもん」

部屋に入ってきた昨日の人は、両手を広げて桃香お姉さんのところへと一直線に歩んで行った

克波さんが長い足を伸ばして、進む道を阻むと昨日の彼はしっかりと足を引っかけて転んだ

は…派手に転んだけど、怪我は?

「いってぇー、克波先輩って冷たい!
僕にもっと優しくしてぇ…」

昨日の彼は膝をついて、転んだ身体を起き上がらせると克波さんの手を握った

「気持ちわりぃなっ!
触んなよ」

克波さんが掴まれた手を振り払う

克波さんの眉が、ぴくぴくと上下に動いて、ものすごく嫌そうな顔をしていた

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